最新作『無人地帯 No Man's Zone』(2012)
〜福島第一原発事故、失われゆく風景、そこに生きて来た人々〜
第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作品
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10/10/2013

「ヘイトスピーチ」の連呼は、世論捏造の欺瞞でしかない


京都朝鮮学園の初級学校、つまり在日朝鮮人の民族教育の小学校に対する差別いやがらせの街宣行為と名誉毀損に対し、京都地裁が街宣行為の禁止と1260万円の損害賠償を命じた。


「素晴らしい判決」だとか喜ぶ気はしない。まったくの当たり前の判断がやっと出て、ほっとするだけだ。と同時に、4年間我慢して忍耐強く戦った京都朝鮮学園の皆さんの強さに敬服する。

そして、この判決を「在日特権を許さない市民の会」なるバカ共が裁かれただけだとは、絶対に思ってはならない

インターネット普及の悪しき副産物でこんな良心のタガの外れた恥知らずなバカ共が出て来たはるか以前から、朝鮮学校はずっと差別を受けて来た。

そこで学ぶ子どもたちは戦後史を通じて恒常的に白い目で見られ、ここ10数年は拉致問題や北朝鮮のミサイル開発が大きく報道される度に、制服のチマチョゴリの着用すら命がけだった。

京都朝鮮学園の子どもたちや卒業生が耐えて来たのは、「在日特権を許さない市民の会」相手だけでは決してないことを、僕たちは絶対に忘れてはいけない

そんな我が国の、この差別する社会の愚かしさに、やっと「人種差別に公共性などあるはずがない」という当たり前の判決が下された。

裁かれたのは、私たちの社会とその歴史そのもの、問われたのは私たちの良心だ。

そして今後問われるのは、この判決を受けて、京都朝鮮学園の子どもたちが、今後は怖い思いもせず、後ろめたさを押し付けられることもなく、日本人相手に常に配慮しなければという思い込みを刷り込まれたりせず、日本に生まれた朝鮮民族として学び続けることが出来るかどうか、その子どもたちの学ぶ権利を、僕たちの社会がちゃんと守れるかどうかだ。

ところで、今回の判決はあくまで4年前の街宣行為に対するものなのに、なぜか報道では、判決文にその言及が皆無の「ヘイトスピーチ」という最近の流行語が繰り返された。それもまだ定着しない語彙という認識もあるのか、「ヘイトスピーチ」の解説までおまけでついてくる始末だ。

ところが判決文にだって、「ヘイトスピーチ」なんて言及はない。判決の対象となった4年以上前の街宣行為の時点では、Hate Speech や Hate Crime というアメリカの差別反対運動が産んだ概念なんて、そのアメリカの影響が強いLBGTの界隈くらいでしか通用していなかったのに、あまりに不自然な報道だ。


LBGT、つまりレズビアン、バイセクシャル、ゲイおよびトランスジェンダー、つまり性的マイノリティ。
つまりはゲイがいわゆるハッテン公園だとかで襲われるのが「ヘイト・クライム」だと、海外事情に敏感なゲイのあいだとかだけでは、20年くらい前からずっと流通してた言葉、ってことです。


わざわざ見出しに「ヘイトスピーチ」を使いながら、その語彙の解説をわざわざ付記する必要があるという不自然どころか不条理で意味が分からない報道が、そんな必要なまったくない、単に人種差別、より具体的には在日朝鮮韓国人への差別と書けばいいことなのに繰り返されるのは、あまりに珍妙だ。それもこの全マスコミ金太郎飴状態となれば、操作されているのは明らかだ。

だいたい4年前の事件なのに、それについて最近ネットのなかでだけ唐突に流行っている最新の流行語を使うのは変だ。裁判報道の基本に反し、法論理の基本を倒錯している。


「『ヘイトスピーチ』は人種差別」という呆れた見出しまであった。 
京都新聞の見出しは、現在は修正されている。 しかし朝日新聞は意味が分かってない恥ずかしい見出しのまんまですよ。
いやだから、差別扇動の発言だから「ヘイトスピーチ」って言うんですよ。もうお話が完全にひっくり返っとるがな。


ところが判決翌日には、社説やコラムで「ヘイトスピーチは許さない」オンパレードである。前日には用語解説が必要なほどなじみのない言葉だったのにね。

一方で被害者であり勝訴した京都朝鮮学園が在日朝鮮人の朝鮮学校であることすら明言されず、朝鮮学校がいまも高校無償化から外されていることなどの差別政策に言及があるはずもなく(官邸記者会見では誰も菅官房長官に質問せず、毎日新聞だけが翌日朝刊で言及)、かつてのチマチョゴリ切り裂き事件など、在日や朝鮮民族に対する差別の歴史はまるで無視、下手すれば在日の「ざ」の字すら出したくない雰囲気だ

被告が「在日特権を許さない市民の会」なのに、肝腎の被告であり加害者についての解説がないのもあまりにも不自然だ。「在日」への言及を極力避けてるとしか思えない。

とりわけ不自然なのが、NHKの7時のニュースと9時の看板ニュース番組「ニュース9」だ

ちなみに世界中の外交当局の日本を担当する部署や、国際企業、海外企業の日本との取引の担当者、市場関係者、日本のことを報じる報道関係者などは、この2つのニュースのどちらかは必ず見ている。NHK-BSがアメリカのABCの夜のニュースを放映するのと同じことだ。

さてNHKの報道だが、その「在日特権を許さない市民の会」(以下「在特会」)が今年の初夏くらいから始めた、新大久保や大阪の鶴橋などでの「反韓デモ」なるものの映像を流し、なのに「在日特権を許さない市民の会」という名称はたった一回、さすがに被告名を出さなければ報道が成立しないから仕方なく、だけである。


今年初夏からの「反韓デモ」は、もちろん今回の判決の対象ではない。それを「参考映像」の断りもなく用いるのは完全に報道のルールに違反する。しかもそんな映像を用いながら、「在特会」がどんな団体なのかの説明はなにもない。

この露骨ないやがらせをデモと称してやるのは最近の事象で、この団体は小沢一郎の訴追を検察審査会に要請したことで悪名高い集団であり、ネット上では10年くらい前から有名だったはずだ。

なのにNHKは以前にも、9月22日のニュースではこの団体…とは決して言わないのがまた姑息なのだが、こうした「ヘイトスピーチ」が出て来たのは最近の韓国の対日政策(たとえば福一事故の汚染水問題が顕在化し、韓国が水産物の禁輸処置に踏み切ったこと)が原因であるかのような虚偽歪曲を、報道をしている

この報道のおかしさに関しては、以前にもこのブログで触れた→ http://toshifujiwara.blogspot.jp/2013/10/dna.html 

僕たち日本人で一定の世代より上であれば、NHKの報道が不自然どころか当たり前にまったくの嘘であるものだから、つい「変な報道だ」と思うだけで、逆にNHKがわざと嘘をついたことにすら、うっかりすると気がつかないかも知れない。

だが日本の近代史における朝鮮民族との関わりを知らない若い世代や、あるいは外国人がNHKの報道を見たらどうなるのか?

これだけしか見なければ、あたかも…

…韓国や北朝鮮がいかにも「反日的な」政策を進めるので、それに我慢出来なくなった「被害者」の日本人の一部が怒って「ヘイトスピーチ」なる新たな差別を始めたが、しかし「韓国や北朝鮮がどんなに理不尽でも←だいたいこれがまったくの嘘)」、日本人の大半はそうしたごく少数の差別を許さず、司法もちゃんと対処し、政府を代表して官房長官も苦言を呈した…

…と言う物語にしか見えなくなる。むろんまったくのフィクション、無論ただの捏造なのだが。

僕らならば朝鮮学校が差別され続けて来た苦難が「在特会」とやらに始まったことではなく、朝鮮人への差別がずーっと日本で続いて来たことも知っているし、朝鮮学校とその子どもたちが差別の標的とされて来たことにも怒ったり憂慮して来た。

なぜ在日コリアンがここにいるのかも、日本の植民地侵略も、たとえば関東大震災で朝鮮人虐殺事件があったことも、つまりは100年以上続いて来た差別の歴史があったことも、知っている。

「ヘイトスピーチ」が今社会問題なのではない。戦後ずっと、いや戦前に日本が朝鮮半島を保護国にし、植民地として併合して以来、朝鮮人差別は社会問題であり、この社会の病なのだ。

だが、なにしろNHKだけでなく他の報道機関も、朝鮮学校や在日朝鮮人への差別の歴史も、ここ10余年とりわけ憂慮される拉致問題を利用した差別の正当化も、チマチョゴリ切り裂きなどのヘイト・クライムも、一切無視しているではないか。

これでは「ヘイトスピーチ」という目新しい差別が問題であるかのようにしか(背景知識となる常識がなければ)思われかねない


ちなみに「在特会」は警察の公安部の違法逮捕などにも協力して来ているし、反日教組で教育委員会などへの圧力団体でもある。最近では『はだしのゲン』が松江市の学校図書館から排除されそうになったのもこの団体の仕業だ。先述の通り最大の「大手柄」は、どうせ無罪は決まっている裁判でも、その無茶な訴追で小沢一郎を政治的に抹殺したことだ。
いろいろバレては困る後ろ暗い癒着があるから、警察や公安委員会は仕方なくデモを許可しているだけだ。本来なら警備の警官が、彼らの「デモ」での振る舞いに脅迫罪や威力業務妨害などが含まれる以上、現行犯逮捕すべきだし、違法性犯罪性を指摘し断るはずだ。
それにこと新大久保や鶴橋で徒党を組んで朝鮮韓国人を侮辱するなんて、警視庁や大阪府警では、ただでさえオウム事件以降公安部の無能に辟易している刑事部、とくに組織犯罪対策課は当然ながら猛反対する。みれば分かるように機動隊まで出動する異様な警備の厳重さは、そのためだ。


「在日特権を許さない市民の会」の差別示威行為は、7月初頭の日韓外相会談でも韓国側から批判され、対処が要請されている。

韓国側はこれでも手加減してくれた方で、「在日特権を許さない市民の会」が安倍政権の熱烈な支持団体でもあり、自民党右派とも密接な関わりがあるという、安倍氏のフェイスブック片山さつき氏のツイッターでも見れば即座に一目瞭然であることまでは、あえて言及しなかった。


だけど、もちろんバレバレですよ。ツイッターは登録すれば誰でも見られる。フェイスブックでも、安倍晋三氏は公開ページだ。 
外交当局者は当然、情報収集のためにチェックしている。


日本ではまったく報道されないことだが、野田政権以降、安倍晋三政権になって日本外交の立場はさらに悪化し、国際的孤立をますます深めている。

理由は簡単で、野田政権がみすみす尖閣諸島の領有権問題で大失敗をした上に、引き継いだ安倍政権が国際社会が許容するはずもない極右で差別的な歴史修正主義を主張しているからだ。さらに日本政府は日韓の領土問題でも、慰安婦などの歴史問題でも、不誠実さ丸出しの失策を繰り返し、憲法改正を口にして再武装と軍国主義化が露骨に警戒され、国連事務総長自らが警告を発するほどだ。

「レーダー照射」騒動は安全保障の基本すら理解しないただの恥さらしだったし、河野談話見直しを自民党や安倍が口にし撤回を余儀なくされたこと、橋下大阪市長の「慰安婦」暴言、麻生副総理の「ナチスに学ぼう」発言と、日本の立場は悪くなるばかりなのである。同盟国アメリカですら、大統領が安倍を嫌悪しきっていることを隠しすらしない。

もちろん安倍氏らの差別主義丸出しな歴史修正主義に国際社会で勝ち目があるはずもないどころか(そもそも、ただの歴史捏造で、つまりただの嘘だから)、日本の立場を悪くするだけだし、そうでなくとも日本の法制度が差別的であることは、国連人権委員会などから再三告発がなされている。


こと日韓外交は、安倍氏の失策の連続の上に、現韓国大統領のパク・クネの父パク・チョンヒが安倍の祖父・岸信介と親交が深かったことを過信した自惚れが完全な目論み外れで、韓国にやられっぱなしである。 
APEC首脳会合ではパク氏になんとか握手を求める安倍の無惨さと、余裕で冷酷に握手に応ずるパク氏の姿が際立った。


霞ヶ関としては、安倍政権がバカでどうしようもない、国益を損ねているとは分かっていても、さすがに安倍晋三は首相だし、自民党の選挙すら忘れて消費増税・法人減税やTPP参加などで完全に言いなりなのは便利なアホ政権なので、なんとか守らなければならない。

むしろ一発逆転で「差別を許さない日本」を演出したい

だから国連総会では安倍を説得して反核の平和主義で差別に反対する人道主義の演説までやらせたが、実践もなにも伴わないわけで、これくらいでは誰も信用してくれず、偽善とみなされ無視され反響もない。


いやだいたい、日本社会に在日や朝鮮民族への差別があることなんて、隠したって隠せるもんじゃないんだけど 
むしろそれでも日本を友好国とみなす韓国が、かなり気を遣って、最低限の言及しかしていないほどだ。


とにかく差別の問題に関して、日本はものすごくイメージが悪い国だし、しかも実際に差別が大好きとしか思えない、差別をさんざんやっている国であることを、国民は知らされていないか、下手すると自覚することを拒絶して逃げている人も少なくない。

ところが、そこへ京都地裁の判決であるとかが出てしまえば(官邸は地裁の判決日程くらい簡単に把握出来るし、「在特会」と安倍政権・自民右派の密接な関係からして気にしていて当然だ)、日本社会に厳然と在日や朝鮮民族への差別がある、それもずーっと続いていることがますますバレてしまうので、まことに都合が悪い。

だからこそ、あまりに不自然な「ヘイトスピーチ」連呼による歪曲報道が、全マスコミ金太郎飴状態で起ったのだろう。無論毎度おなじみ、官邸記者クラブを通した要請に記者クラブ会員社が応じたわけだ。


  • 日本の近代史を知らない、差別の歴史も知らない若者や外国人なら、新聞やNHKニュースだけ見れば日本が差別に反対する良心的な国であるかのように思うよう仕向けるために。
  • そして在日朝鮮韓国人への差別という日本社会に未だ蔓延するありふれた差別を無視したい、一部の偽善的市民におもねるために。
  • 言い換えれば、在日朝鮮韓国人差別が目新しい流行語で語られるものなぞではちっともなく、100年以上の歴史のある残酷で醜悪な代物であるのに、その歴史を歪曲捏造し、差別を隠蔽するために。


無論、バカげた浅知恵であることは言うまでもない

世界中の日本を担当する外交官やビジネスマン、市場関係者は、もちろんNHKの7時や9時のニュースを見て、五大紙の報道をフォローし社説もチェックしているが、無論それだけではない。

客観的な立場で日本の歴史だって踏まえている。そして日本が朝鮮民族を差別し続けている国であることは隠しようがないのだ。こんな浅知恵で付け焼き刃な騙しに、引っかかるわけがない。永田町内部的には安倍に「在特会」等との縁を切らせること以外では、せいぜいが韓国の現政権の、日韓関係を回復したいが故の温情にすがる口実くらいの効果しかない。


先代のイ・ミョンバク、今のパク・クネ政権を通じて、韓国政府はまったく「反日」などではない。韓国の政府としてこれ以上はさすがに妥協出来ない一線のところを、日本側が常に挑発して来ただけだ。それは韓国の国民の圧倒的多数でさえ同じこと、むしろ過去はともかく、基本的に極めて親日的な国だ。
むしろ左派政権、たとえば植民地時代でも日本の教育の充実などは率直に評価したキム・デジュンの方が、政策的には日本や米国と対立することも辞さなかった。 
なおキム氏は日本亡命中の自分がKCIAに拉致された事件ですら、日本政府がその手引きをしたことへの批判は控え、移送中のKCIAの船を自衛隊機が威嚇したことで自分が殺されずに済んだのだとを明かし、感謝すら述べていた。


むろんいかに官邸記者クラブや外務省記者クラブを通じた要請があろうが、「ヘイトスピーチ」がまったく耳慣れない用語であれば、マスコミ各社だって官邸の要請だろうが応ずるわけにはいかない。せいぜいが京都地裁判決を報じないことくらいしか出来ず、しかしそんな報道握りつぶしをやればますます、日本は差別を隠蔽し温存させる国だのとの悪印象は強まる。

そこで「ヘイトスピーチ」という言葉をある程度は浸透させておく必要があったわけだが、幸い(というか実はわざと、巧妙に演出されたことなのだろうが)ネットではかなり流行語になっていた。

例の「在日特権を許さない市民の会」の新大久保や大阪・鶴橋へのイヤガラセ犯罪行為に対してネット上、ツイッター等で呼びかけられた「カウンター」活動のおかげだ。


…というよりも、この「カウンター」を呼びかけた者たちの動きが、最初から極めて不自然であった理由が、この京都地裁の判決に関する報道で明らかになった、と言ってもいいだろう。
なぜ最初から「在日朝鮮韓国人への差別を許さない」という普通の言い方をわざわざ避け「ヘイトスピーチ」というなじみのない、ほとんどの人が意味すら知らなかった言葉を繰り返したのかが、ようやくよく分かった。


逆に言えば、結果から見ればこの「カウンター」を呼びかけた本当の最大の目的が、差別の歴史を隠蔽して誤摩化すために「ヘイトスピーチ」を流行語とすること、「在日への差別」ではなくあくまで「ヘイトスピーチ」に反対する市民運動を捏造することだったとしか思えない。

…と思ったら、なんのことはない、ご本尊がすでに自白しているではないか(汗)。
もちろんあなた自身がそんな「社会問題」を捏造しようとして来た、報道もあまりにもわざとらしい歪曲で、その捏造に協力しているだけ。 そんな言葉、今回突然紙面に踊るまで、ほとんどの人が知らなかった。
実際に社会問題としてあるのは昔からずっと、在日朝鮮人韓国人への差別である。あなたもまた拉致問題報道をめぐる歪んで差別的な報道でそれに加担した。「在特会」よりも遥かに深刻で、日本社会全体に蔓延しているヘイトスピーチだ。 
しかしさすがに新聞社のギリギリの良心で、用語解説を要すると判断されてるわけだから、まさに 「頭隠して尻隠さず」だ。 

この運動集団、とりわけ中心メンバーである「レイシストしばき隊」等や、有田芳生議員らの言動の不自然なまでの愚かしさが、彼らが単に愚かで無自覚な差別主義者だから、というだけではやはりなかったのだ。

ただ彼らが愚かなだけだったら、誰かが止めたり諌めたりしたはずだ。だがその愚かさを諌めたものは、逆に「カウンター」の面々の口汚い攻撃に晒され排除されて来た。論理も議論もへったくれもない、ただの暴虐な「いじめ」。なぜそんな醜態をネット上の公衆の面前で晒したのか、やっと納得が行く

最初から見せしめと排除が狙いだったのだろう。

彼らの愚かで無自覚な差別主義の言動の濫発は、むしろ意図的な排除のための必然だったのだ。


いやどうにもおかしいな、無自覚な差別性満載で差別的な暴言だらけ運動なので、呆れて避けて来たのだが、どうせなら覚悟を決めて参加しておけばよかった。 
内部に入ってたら、このカラクリにはとっくの昔に気づいて、内情も押さえて告発出来ただろうに、後悔先に立たず…。


在日朝鮮人韓国人であればまだ、やっと自分たちへの差別の暴力に反対してくれる日本人の大衆運動に過度に期待を寄せるのは分からないではないし、また「カウンター」の参加者らは、その彼らを当然のごとく自己正当化に利用して来た。

一方で、運動ではないものの個々人として常に在日朝鮮韓国人への差別に反対して来た、少なくとも憂慮して来た普通に良心的な日本人であるとか、この胡散臭さの偽善性を見抜く在日、あるいは既存の差別反対の運動体に入って来られては困るから、わざと排除するように仕向けたのだ。

まともな神経で在日への差別に反対するのなら、必然的にそれは歴史問題に結びつく。それを排除する「反差別」なんてあり得ない。



こと「仲良くしようぜ」と言ったスローガンの胡散臭さに納得出来ず、「レイシストしばき隊」が日の丸フェチであることに我慢がならない在日朝鮮韓国人を排除し攻撃するために、彼らが積極的にけしかけて利用したのは、他ならぬ自分たちの側に参加している在日である。これはさすがに許し難い。
なかでも急先鋒を切っていた在日の人物は、無自覚にこのように告白してしまった 。
絶句…。もはやなにをか言わんや。こうなるとあまりにも憐れでしかない。 
結局、歴史問題やこれまでの差別の問題で「レイシストしばき隊」を怒らせるのは「在日を血に染める」、その差別主義ナショナリストの暴力を誘発し「更に酷い惨事を招きかねない」という思い込み、いや刷り込まれた差別意識の根深さ… 
だから、自分たち在日の参加者にはそんな議論は出来ないと、当の最も積極的に参加しているように見える在日が思って来たわけだ。 
最初から、被差別者に刷り込まれた怯えを利用した差別主義の運動でしかなかったのである 
そして結果は、こうして惨めな奴隷在日、ペット在日、自ら自分達が受けて来た差別の歴史を隠蔽させられ、卑屈さに徹することを強要される人たちが出て来ただけだ。この醜悪な偽善のなにが「仲良くしようぜ」なのか?

真面目に「在日ウンチャラをナントヤラな市民の会」に対抗するなら、慰安婦問題への不誠実な対応という極めて差別的な外交も問題にすることになるし、拉致問題を利用した反朝鮮総聯・反朝鮮学校の差別プロパガンダには当然言及する(有田芳生議員も批判に晒される)し、8月になれば靖国問題も関わって来るし、もともとこの団体と密接な関係がある公安警察や、安倍政権は、徹底批判されることになる。

そもそも「在日ウンチャラをナントヤラな市民の会」それ自体なら、せいぜい数十人の動員力しか持たない。それが大きな社会的影響力を持つと言うのなら、それは彼らの大っぴらな発語(つまり「ヘイトスピーチ」)の問題ではなく、口には出さないが彼らにこっそり共感する日本人全般の問題であり、国の制度や社会のあり方自体が未だに差別だらけであることの問題だ。

だがその現実を直視することは、この「カウンター」を呼びかけた人たちにはあまりに不都合、というより裏で金を出し操作しているのであろう官邸か、あるいは外務省の、そもそもの意図と目的からすれば逆効果だ。

ほぼ確実に、その機密費で作られた運動だったのだろう。なにしろ、まず資金の動きがあまりに不自然だ。

草の根手弁当のはずがカンパ呼びかけもないのに、立派なウェブサイトも立ち上げ(無料のブログなどを利用するのではなく)、ツイッターでの発言量だけみてもほぼ専従の人間が「レイシストしばき隊」を中心に何人かいる。

このグループを中心として先月には「差別撤廃東京大行進」なるパレードまで開催され、この時もNHKニュースを中心に(それまで「在特会」も「カウンター」もほとんど報道されず、日韓外相会談で問題にされたことも無視して来たのに)いきなり大きく報道され、しかもこの時にはかなり金のかかったビラを「フライヤー」と称して街頭などで大量に配布…

…は出来ていなかった。受け取る人があまりにも少ない、というか僕もたまたま目撃し観察した際には、誰もいなかった。

つまり、まずこの運営資金はどこから出ているのだ? あくまで草の根の運動を装い、協賛や後援団体などはまったく出て来ず、なのにカンパの呼びかけもない。

どこぞの金持ちでもバックにいない限り、こんな資金を使途不明金に偽装して出せるところはそうないし、逆に良心的な寄付であるとか後援団体ならば、わざわざ隠す必要もないはずだ。むしろ名前を出してもらたいくらいだ。

そんな怪しげな資金の出所であれば、それで誰がいちばん利益を得るのかを考えるのがまず当然である。となるといちばん可能性が高いのは、こうして「カウンター」が「ヘイトスピーチ」という流行語を捏造することでいちばん利益を得る側が出す金、つまり官邸機密費か、外交機密費だろう。これならなんの苦もなく資金は出るし、足もつかない。

さらに妙なことに、たかが数十人の「在特会」に対してカウンターで集まるのは数百人が限度。なのに出版社が動き、その専従と目されるメンバーが本まで出版するという。およそ出版社の自力だけでは、採算ラインを突破できない部数しか期待出来そうにない内容の本なのに、版元は政治思想系の中小ではない。

まだ同和出身で「保守の立場からの反原発」を敢えて唱えた巧妙で狡猾なレトリックを用いて以前にもちょっとした話題を集めた人物が、トリッキーな保守論をぶちあげた一冊目なら、おもしろがる編集者もいるだろう。

だが先述のようなあからさまな世論操作で突然全マスコミが「ヘイトスピーチは許しません」と言い出し、その語彙が定着するかどうかも怪しい現状のなかで、「カウンター、しばき隊専従」と目されるなかでももっとも頭が悪そうな、乱暴で知性のかけらもない歴史修正主義すら唱える人物が「ヘイトスピーチ」を題名にした本って…こうなるとカネだけでなく、特殊なパイプのある人脈が動き圧力をかけていなければ、ありえない話だ。

つまり全マスコミ金太郎飴を演出したり、その演出が起ることを知らされていて、大手出版社にコネがある人脈だ。

「フライヤー」と称するビラや、関係者というか実質専従のスタッフが本を出版すること(彼らの生活費だってある)、そんなに出来はよくないが、プロでも三流くらいが作っていそうなウェブサイト、それに妙にカタカナや横文字を濫発すれば流行になると思っているセンスの悪さも含め、さらに大手マスコミや出版社との人脈となると、広告代理店的な俗っぽさがプンプン匂う。
大方、最近政府関連のウェブサイトのデザインや運営だけでなく、パブリック・コメントの仕切り、リサーチ業務などなどで、霞ヶ関が大口受注先となっている電通が、裏で関わっているのであろうことが、すぐ思いつく。
電通あたりがあまり使えないヒマな下請けの、出来の悪いデザイナーやフリー編集者あたりに金を握らせて仕掛けた「電通裏プロデュース」ではないのか、というのが僕のとりあえずの推測だ。 
そして金の出所つまり大元締め、つまりこのような官製市民運動を捏造させることでの最大の受益者は、首相官邸なのだから(バカだが言いなりで便利な安倍を守り日本の外交的失墜を挽回出来る…と思い込んだだけ)、まず可能性がいちばん大きいのが、官邸機密費、となる。



もちろんこんな後ろ暗い欺瞞の、権力側のご都合主義に奉仕するだけの、官製市民運動の捏造のカラクリに関わったのは、「レイシストしばき隊」の一部などごくごく少数の主導メンバーだけに決まっている。圧倒的多数の参加者はなにも知らずに、ただ自分たちは正義の運動をやっている気になって、踊らされただけだし、もっと言えば中心メンバーの面々ですら、金は渡されてもそれがどこから出た資金なのか考えるほどの知能も持ち合わせていないかも知れない。

もっとも、踊らされただけの参加者にもあまり同情は出来ない。
ごくごく少数の主導メンバーに呆気なく扇動されて、「在特会」以上に身勝手極まりない独善で無自覚な差別発言をネット上で繰り返し、その主導メンバーの親衛隊気取りで、もはや「在特会」などはそっちのけで、差別に反対する批判者を攻撃する正義ごっこ、その実単なるいじめ騒ぎに耽溺したのも、多くの「騙された」一般参加者だ。
いや良心的な一般参加者が「おかしい」と言い出したら、ファナティックな攻撃で排除したのも、主導メンバーにそそのかされた珍妙で幼稚な偽善者でしかない、ただの正義ごっこの自己満足のための一般参加者たちである。
彼らの発言もまた無自覚な差別意識がしょっちゅう発露しているのに、主要メンバーたちは諌めようとも止めようともしない。かくして運動の評判はどんどん落ちる…なんでこんなことを、と思えば、わざと評判を落とすのが目的なら納得が行く。


さらに「差別撤廃東京大行進」と称するイベントでは、人種差別撤廃条約の履行が主張され、「カウンター」の主要メンバーと共通する主催者側などはそれ以前から同条約に基づく「ヘイトスピーチ規正法」の制定を口にしている

なぜ「ヘイトスピーチ禁止法」でないのか首を傾げるが、本当に同条約の定義に基づき、ドイツやカナダなどを参考にした刑事処罰を含む法律があれば、真っ先にお縄になるうちの一人が有田芳生議員であり、あるいは「レイシストしばき隊」の中心メンバーの何人かである。 
それが明らかに刑事罰を含む「禁止法」では、さすがに怖かったのか? 
まあ、こんなんじゃあさすがに、ねえ…?まさに定義通りのヘイトスピーチではないか。 
よくもこんな分かり易い差別憎悪の扇動発言を放置するものである。だからバカなのかと思ったら、まともな人間が呆れて離れることが狙いの、確信犯だったわけだ。 
しかしここまで分かり易いヘイトスピーチを書く人が、ヘイトスピーチ論を出版って…自己批判でもしてくれるんだろうか?


だが日本国憲法は「あらゆる検閲はこれを禁ずる」と明記している「ヘイトスピーチ規正法」は明らかに違憲になるし、同様の憲法を持つアメリカ合衆国などでは、合憲の国内法を正しく運用することと、世論の啓蒙や文化の力で、たとえ実際にはどれだけ人種差別がまだあろうとも、差別は絶対に許されないことだという社会的コンセンサスを作りだしている。

ちなみにフランス第五共和国憲法は検閲を禁じてはいないが、やはり「ヘイトスピーチ規正法」に類するものはない。 
人種差別は明らかな悪であり、そこから社会を守ることは国民の良心とフランス文化の伝統に任されている、という考え方だ。

議員だったら憲法を理解しているはずだ(それとも民主党ってそこまで劣化したの?)し、ならば「ヘイトスピーチ規正法」の制定は迂闊に口にしないはずだ。なにしろ違憲になりかねない。

それに少なくとも「在日ナントカをウンチャラな市民の会」なる、その実せいぜい数十人程度の動員力しかないネット上の幻影の、日頃のネット上の言動ならまだしも、新大久保や鶴橋での街宣行為だったら、現行法で充分に抑えることも現行犯逮捕も出来るむしろ警察の怠慢が問われるべきだし、刑法の脅迫罪の規定や名誉毀損罪に人種差別に関する既定を付記すれば、「ヘイトスピーチ規正法」は必要ない。

いや拉致問題を利用した差別流布の前科がある有田芳生議員や、上述の野間某、あるいはやはりこのパレードに参加した小池晃氏の属する共産党の同和差別を告発し、彼ら差別主義者を黙らせるなら、「ヘイトスピーチ規正法」は便利だと思うけどね。

国会議員までが主導するデモでは、これもあまりにも不自然だ。だがこの有田議員の場合、「拉致問題の解決には九条改正が必要」という青山某なるネオコン論客の発言にまで理解を示している。つまり改憲派なのだ。

これも「レイシストしばき隊」らが「在特会」以上に、まともで普通に差別に反対する一般市民や既存の反差別運動を排除した理由のひとつなのだろう。「ヘイトスピーチ規正法」を求める声が高まれば、「今の憲法は変えるべき」「自主憲法制定」という議論に、自民右派のトンデモ改憲論に警戒する中道や中道左派も、改憲に賛同するしかなくなるからだ。

つまり差別撤廃東京大行進のもうひとつの目的は、改憲論を世論に受け入れさせる素地を作ることだ

実に巧妙な世論誘導で、つくづく霞ヶ関というのは浅はかな割には大衆を騙すことに関してだけは相当な悪知恵を持った人々だと感心する。

もっと他にやることがあるだろうに…俺たちの税金だぜ?

それにしてもつくづく、日本人というのは…加藤泰監督の映画『男の顔は履歴書』の安藤昇の台詞ではないが…


「なんにでもすぐ流されますからね、日本人という奴は」


…である。



なお『男の顔は履歴書』は戦後まもなくの闇市で勃興する第三国人、つまり韓国朝鮮人・台湾人の組織と日本人との抗争を描くヤクザ映画の大問題作だが、加藤泰監督の優れた知性と傑出した人間洞察力の演出で、驚くことに差別性はまったくない。むしろ加藤泰とインテリ・ヤクザの安藤昇(安藤組組長)がこの映画で告発するのは、日本人の偽善的で暴虐な差別性がこのような対立を招いたことだ。


それにしたってあまりに安易に流され過ぎだろう、この決して「在日朝鮮韓国人が差別されて来たことに反対する」ではなく、あくまで「ヘイトスピーチはいけません」だけの連呼は。

だから決して忘れてはいけない、僕たちはもう、騙されても流されてもいけない

朝鮮学校の子どもたちを苦しめ、その父母、祖父母、曾祖父母をずっと苦しめて来て、京都地裁の判決で断罪されたのは、「在特会」の「ヘイトスピーチ」…ではなく差別的な街宣活動だけではない。「在特会」はここで直接処罰されるただの象徴、みせしめでしかない。

僕たち日本人の一人一人の心のなかに、決して大声で叫んで「ヘイトスピーチ」とみなされる発語はしないものの、「在特会」的なものは潜んではいないか?


  • チマチョゴリ姿の朝鮮学校の女生徒たちに、「外国人、たかが朝鮮人のくせに」と思ったことはないか?
  • 在日の人の率直な言葉に「朝鮮人が生意気な」と思ったりしたことはないか?
  • 「日本にいるんだから遠慮しろ」とか心の中で毒づいたことはないか?
  • 自分たちの国と民族の過去の誤りを指摘されただけで「反日だ。朝鮮人は俺たちを敵視してるんだ」と身勝手な憎悪を持ったりはしていないだろうか?
  • あるいはその過ちを指摘されるのを恐れ、彼らを対等の人間として扱わず、腫れ物の「弱者」としてつき合ってはいないか?
  • 逆に在日朝鮮韓国人にだって変な奴やわがまま身勝手、ひどい奴悪い奴だっている。それを「差別だ」と言いがかりをつけられることを恐れて「かわいそうな弱者なんだ、しょうがない」と思い優越感を覚えたことはないか?
  • 逆にそうやって「弱者」だから批判出来ない自分を棚に上げ、「特権だ、無批判の立場に立てるのはずるい」と嫉妬してはいないか?彼らが「弱者」だから批判できないことに、欲求不満を覚えていないか?
  • 在日の人との関わりにおいて、「お前は朝鮮人なんだから」と心のなかで思って、子分や二流市民扱いを、したことはないか?
  • だからこそ、「在特会」を叩きさえすれば、そんな心の奥底に押し込んで隠して来た、後ろ暗い自分の差別したい気持ちを免罪できると思って「ヘイトスピーチはやめろ」「このヘイト豚」などと街頭で叫びはしなかったか?


本当に裁かれたのは、これまで彼らをずっと差別して来た私たちの国であり、私たちの冷たく差別的な眼差しであり、私たちの社会の人間性の欠如、私たちの歴史と現在に至る誤りなのだ

京都朝鮮学園の子どもたちが、その誤りを僕たちに教えてくれた。京都地裁ではない、その子どもたちが、だ。

これまでその子どもたちとその父母、祖父母、曾祖父母をずっと苦しめて来た、あるいは彼らが苦しんでいることを無視して来たことを改めてお詫びすると同時に、僕たちは彼らに誠心誠意、「僕たちがいかに間違っていて醜い日本人だったのかに気づかせてくれて、本当にありがとう」と言わなければいけない。

在日朝鮮韓国人に「仲良くしようぜ」と僕たちが言えるのは、やっとそれから、僕らが彼らに仲良くしてもらえるだけの、醜くない日本人になってからだ。

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