最新作『無人地帯 No Man's Zone』(2012)
〜福島第一原発事故、失われゆく風景、そこに生きて来た人々〜
第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作品

7/16/2009

大阪、シネ・ヌーヴォーでアモス・ギタイの日本未公開2作品を公開

   『キプール Kippur』(2000年)撮影中のアモス・ギタイ

http://www.cinenouveau.com/x_cinemalib2009/amos_gitai.html
今週末から『ケドマ』『フリー・ゾーン』が、残念ながらフィルム映写でこそありませんが、劇場公開としても、東京以外での上映も、初になります。

         『ケドマ Kedma』(2002年)

Kedma Movie Trailer




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おまけで僕のデビュー作になる『ケドマ』のメイキング、『インディペンデンス アモス・ギタイの映画「ケドマ」をめぐって』も来週末25日から上映します。

『インディペンデンス アモス・ギタイの映画「ケドマ」をめぐって
 Independence: around the film Kedma a film by Amos Gitai』(2002年)

7/14/2009

こんな形でしか見られないのも残念ながら…


…というか著作権法違反ですが、こういう形でないと見るチャンスがなかなかないのはなぜだ? エドワード・ヤン監督、ホウ・シャウシェン主演『台北ストーリー』。傑作です、もちろん。

7/06/2009

耳の痛い話…

なんとなく、久しぶりに、もう12年前に山形映画祭で取材したフレデリック・ワイズマンとロバート・クレイマーの対談を再読。いろいろ含蓄の深い発言が連発なのでお薦めなんですが、ワイズマン先生からはもの凄くワイズなお言葉が…



http://www.yidff.jp/docbox/12/box12-1.html

私が大学に行っていたころは誰もが小説家になりたがっていたのが、今では皆が映画を作りたがっている。そこから偉大な映画作家がたくさん生まれてくると期待することには、かつて偉大な小説家がたくさん生まれてくるはずだと考えたのと同様、なんの根拠もない。別に意地悪を言うつもりはないんだが、経験からしてそうとしか思えないんだ。

私から見るとテクノロジーの方はそう複雑ではない─問題はそのテクノロジーを使って何をするか、アイディアの、考えることの問題だ。これは何でも同じだろう、映画作家に限った話ではない。医者でも、弁護士でも、ビジネスマンでも、なんでもね。


そうですね、はい…。現にそうはなっていないわけだし…。

7/04/2009

『ぼくらはもう帰れない we can't go home again』慶応大学で上映します


「慶応大学表象文化論」の主催で、来週土曜日の11日に『ぼくらはもう帰れない We Can't Go Home Again』(2006)を、慶応日吉キャンパスで上映します。



7月11日(土)13:00〜(開場12:30)
慶応義塾大学日吉キャンパス
第4校舎独立館(東横線日吉駅下車すぐ)
4階D411教室


『ぼくらはもう帰れない』We Can't Go Home Again
 2006年/日・独合作/カラー/35mm 1:1.85/Dolby SR/111分(今回はデジタル上映)

 出演 鳥井真央 霜田敦史 高澤くるみ 香取勇進 山田哲弥

 製作 姜裕文 アレクサンドル・ワドゥー 平戸潤也
    高澤裕正 藤原敏史
 音楽・音響構成 ジーモン・シュトックハウゼン
 主題歌 CRAFT
 音響監督 久保田幸雄
 ダビング・ミキサー:山縣良一
 現像監修 ハラルド・レーマン
 監督・編集・撮影 藤原敏史

今年のベルリンで最も注目すべき発見。[中略]まるで奇跡のように、実験は作品になり、挑戦は感動になる。『ぼくらはもう帰れない』はそのフォルマリズム的なプログラムを超克し、俳優たちの身体と、大都市の喧噪、そして人物たちのフィクションがデリケートに絡まり合ってこの映画に固有の統一性、その呼吸、その力強さを生み出している。
−−「カイエ・デュ・シネマ」(ジャン=ミシェル・フロドン)


ストーリー展開のカジュアルなやり方とユーモアが大好きだ。すべての人物が適確に浮かび上がり、そのいずれもが心に響く。キャメラワークが素晴らしく、とくにある構図をドラマチックな状況の最後までじっと維持し続けるその姿勢は、人間観察というものの意味を即座に分からせてくれる。そして“リアルな演技”をめぐる会話や、自分の顔をポラロイド写真で撮り続ける青年、その彼をビデオカメラを持って追いかける少年を通じて、映画全体がそれ自体の合わせ鏡のようにそれ自身に折り重なっていく感覚、そのすべてがとても愛おしい。
−−アトム・エゴヤン

この映画の自由さを賞賛したい。俳優たちが素晴らしく、人生の曲がり角にいながら、とても傷つきやすく、それでいてとても心地よく人間的だ。音の構成は特筆すべきものであり、外の騒々しさがアパートのなかにも容赦なく入り込 み、東京という都市の商売本位で暴力的な音響の特質をみごとに捉えている
−−ジャン=ピエール・リモザン

この驚くべき演技と知性に溢れた、まったく独創的な映画で、ついに私が見て来たそのままの東京の街を発見することができた。
−−バルベ・シュロデール(バーベット・シュレーダー)

一見すると即興とは信じにくいのは、複雑に有機的で、かつフォルムへの強い意識を持った即興であるからだろうか。
−−ジョン・ジョスト

美しい。
−−ロバート・アルトマン

立派な映画です。
−−黒沢清

若い頃にゴダールを見たときのような衝撃を受け、映画の演出というものをあらためて考え直させられました。
−−市川準


2006年ベルリン国際映画祭正式出品作品
2006年ペサロ国際映画祭「未来の映画」最優秀賞
2009年大阪シネドライヴ「映画侠区」賞





映画についての詳しい資料はこちら:
http://idisk.mac.com/conductor71/Public/WECANTGO/we_cant_flyer.pdf

慶応大学には35mmの映写機はないのでDVCAMのテープで上映しますが、無料だそうですのでおヒマでしたら…。

上映後には映画評論家の杉原賢彦氏の司会でトークもやります。

その場で現在進行中の大阪での即興プロジェクトの撮影分のお披露目もやるかも知れません。

7/01/2009

ピナ・バウシュ(1940-2009)

ダンスですから表現する手段は違うわけですが、実は僕が映画を作る上で、方法論や思想、人間の心と身体についてどう考えるかについて、もっとも強い影響を受けて来た人の一人でした。僕のやってる即興の方法論だって、英語題が『We Can't Go Home Again』だからって実はニコラス・レイでも、ましてやすぐに訊かれるジョン・カサヴェテスでもまったくなく、もっとも示唆を受けているのはピナ・バウシュ。

ここ数年、尊敬する人がどんどん亡くなっていくのがなんとも辛い…。まあ人生って、そういうことなんでしょう。