黒楽茶碗、銘『時雨』
学芸員のある種の「遊び」みたいな展覧会なんでしょう。東博がこういう「遊び」をやるのは文句がある人もいそうですが、難解高尚ぶった「日本美術」って、宗教画以外は元々は当時のエンタテインメントとして作られたものなんだし、美術館が遊んだっていいと思う。
黒楽茶碗、銘『俊寛』
いやあ遊びは遊びでも豪華な遊びです。この出品内容はただごとではありません。というわけで誕生日に、東京国立博物館で開催中の「対決! 巨匠たちの日本美術」に行ってきました。
ある種「邪道」と眉をしかめる真面目な人もいるでしょうが、たとえばこの長次郎と光悦それぞれの、茶器としてもっともシンプルでミニマルな「黒楽茶碗」をどう料理するかの違い、こうやって比較するとそれぞれの個性が際立つことは否定できませんし、「へえ、こんなに違うんだ」というのはやっぱりエンタテインメントです。つまり、楽しいじゃん。
「対決」のなかには雪舟VS雪村と言ういささか型通り、歌麿VS写楽なんて勝負になってないもの、あるいは永徳VS長谷川等伯みたいにいまひとつピンと来ないものもあって、このカードは東博の至宝・松林図屏風を持ち出すためのいいわけにも見えたが、光悦VS長次郎の楽茶碗対決は、大成功でしょうね。
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