『お遊さま』は “背中の映画作家” としての溝口健二の最たる傑作のひとつである。真の感情が露になるとき、人物達はキャメラに背を向け、そしてお互いに背を向け合う。
だが「背中を向けること」は溝口の演出のなかで、背中を向けることは人物達の欲望や感情や哀しみを隠すことにはならない。むしろ背中を見せることでこそ、この物語の人物達は自分の感情や苦悩を露にするのである。
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題名は室町時代の禅僧・夢窓疎石の言葉で「別に工夫なし」。ここはそんな境地にいつか到達したい、日本ではまだ有名でない映画監督・藤原敏史が勝手に愚痴ってるブログです
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