松本サリン事件の第一通報者で被害者の河野義行さんの妻で、やはりサリン被害者で14年間にわたりサリン中毒により意識不明だった河野澄子さんが亡くなられた。
河野さんといえば、第一通報者で発生現場が自宅そばだったため、当初は犯人ではないかと疑われ、警察の厳しい尋問を受けただけでなく、マスコミから重大な報道被害を受けた方でもある。
だが自分の受けた被害について恨みも憎しみも口にせず、犯行がオウムと特定され、オウム関係者が逮捕され、有罪判決が出ても、常に冷静さを失われず、むしろオウムを悪魔的に扱うことについて疑問さえ堂々と口にされて来た。その温厚な態度と、意識が戻らないままの妻をやさしく介護し続ける姿は、多くの人に感銘を与え続けて来た。
残念ながら、我々は今に至るまで、二つの毒ガス・テロ事件が我々の社会に与えた影響をきちんと把握できていない。あの事件がなんだったのかも、分かろうとすらしていない。だからとくに河野さんご夫妻からは、我々はもっと多くを学び、その意味をとらえ直さなければ行けない。
そして明日は63回目の原爆忌である。63年前にヒロシマで起ったことの真の意味も、我々は本当はまだ知らない。
8/05/2008
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